月80~100時間の残業をしている方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。このような場合、会社としても人件費を削減したいでしょうし、何よりも社印の健康を損なってしまうと後に訴訟の問題が起きたり、あるいは後任の担当者を見つけなければならないなどのデメリットが発生します。
後任が決まっても、仕事によっては知識・経験の習得に時間がかかり、また業務効率の悪いなかで残業が発生してしまい、悪循環となることが考えられます。そういった点からも業務効率の改善は重要です。業務効率改善には以下のようなポイントが揚げられると思います。重要度合の順番に記載しております。
1.業務の棚卸
日々の業務の中で、担当者が(あるいは自分自身が)何をやっているのかを把握することがまず大事です。
例えば、伝票整理・注文書の作成・取引先との納期交渉・・・などです。
これはこと細かに細分化して、一つ一つ挙げていくことが大事です。
まず担当者(あるいは自分自身)が何をやっているのかを把握できなければ、業務の効率化は絶対に進みません。
この業務の棚卸しについてはできるだけ時間を割いて、分析をするようにしてください。
2.各業務にかかる作業工数の分析
次に棚卸しで挙げていった項目一つ一つに対して、各項目ごとにどのくらいの作業工数が発生しているかを分析してください。
厳密にやろうと思ったら、ストップウオッチなどで時間を測定するのがベストですが業務に差しさわりがあるようでしたら、フィーリングでも構いません。
そうすることで何に時間がとられているかが見えてきます。(伝票整理・・・・2時間、注文書作成・・・1.5時間、など)
3.必要/不要の判断による、業務の取捨選択
1及び2で何に時間がとられているかが見えてきます。
一番時間を取られている項目から順番に評価していってください。
本当にその仕事は必要なのかどうか、自分があるいは自部門がやらなければならない仕事なのかどうか。
自分だけでは判断できないようであれば、上司に相談してください。
その際に1及び2で収集/分析したデータがあれば、上司も判断がしやすくなります。
営業部門でよくありがちなのが、お客様のいいなりになっている場面です。
自社の責任範囲ではない仕事を押し付けられて、あるいは次の受注に繋げるために無理をして引き受け、
業務がひっ迫していることもあります。営業職であればその仕事が本当に自社の責任なのか、見積書や契約書等を一度振り返り、
判断がつかなければこれも上司と一度相談してみてください。
ときには上司からお客様にきっぱりとお断りすることも大事です。
また、見積の書き方によって責任範囲が曖昧になっていることがあります。
一度、現状の業務負荷の分析を行ってお客様と打合せを行い、責任範囲を明確にしてください。
責任範囲が明確になればお客様との思わるトラブルも回避でき、やらなくてはならないことだけに的を絞って仕事ができます。
4.必要な業務に対するアプローチ
3である程度取捨選択できても、どうしても削れない業務というものがあります。経理であれば伝票整理は必須でしょうし、
購買調達部門であれば、注文書の作成を削るわけにはいきません。3で取捨選択した内容に対してアプローチをしていきます。
例えば、書類のペーパーレス化です。取引先と調整して、全て電子取引にすれば注文書のファイリングは不要になるでしょう。
紙ベースの請求書もなくなるので、経理部門としても伝票処理の工数は大きく削減できることが期待できます。
電子取引はほんの一例ですが例えば上司や各部門の所属長と連携して、余剰に発生している仕事を均等に割り振って処理をするのも一つの解決策です。
5.初期投資の確認
例えば電子取引を行うのであれば、新しいシステムを導入する必要性が生じます。
その際に発生する予算がいくらなのか、システム会社と打合せを行い見積をとります。
既存のシステムが導入できるようにするために準備が必要であり、社内でも工数が発生するでしょう。
IT部門などがあれば工数がどのくらいかかるのか、確認をしておいてください。
この工数も初期費用の一部と捉えます。初期投資と現状のマンパワーを比較した際に、初期投資分が1~2年分のマンパワーで回収できることがあります。
その際の説明資料を作成しておくと、上層部への稟議がとりやすくなります。
6.コンサルティング会社へ相談
だけで、あるいは自社だけでは解決できない問題も中にはあると思います。
1~5だけでは不十分の場合もあるかもしれません。
業務の効率化というテーマを掲げてビジネスを展開しているコンサル会社に相談するのも一つの手段です。
7.外注を仕様するかどうか検討する
自分が今やっている仕事を外注に出すほうが安く確実に上がる可能性もあります。
一度、各業者へ見積をとってみてください。また派遣社員を雇い、ヘルプに入ってもらうことも必要に応じて検討してみてください。
様々な手段で業務を効率化しよう
上記、1~3は業務効率を行ううえでは必須の作業となります。
4以降は任意です。1~3で解決できなければ、あるいはより徹底的に効率化を図りたいということであれば実施ください。
ときには初期投資が必要な部分もあるのですが、長い目でみればそちらのほうがリーズナブルということもあります。
会社は組織ですので、自分だけでは動かせません。上司にはデータ分析結果などをもって、説明すれば道は開けてくると思います。