社会人になって仕事を行うことになると、様々な人間関係に悩まれる方も多いと思われます。
その中で、上司と部下の関係というのは最も気をつけない人間関係の一つと言えることは社会人経験のある方ならばよくわかることのように思われます。
ここでは、上司を無視する部下の心理について考えてみたいと思います。
1.指示が曖昧で分かりにくい
基本的に仕事は上司が部下に指示を出して行ってもらう形になりますが、その指示が曖昧だと部下はとても困ります。
もちろん、全てにおいて細かい指示を与えきるのは上司としても難しいところはありますし、そのあたりの理解がない部下というのも問題はありますが、それでもある一定の具体性をもっていないと部下は指示に対してどう動いていいかわからなくなります。
少なくとも、上司が指示したことを自身が行うことができるかどうかが一つのポイントになると思われます。
曖昧な指示しか出せない上司に対しては部下もどのように動いていいかわからず、その上司から仕事をもらっても何もできないため、仕事が進まないかもしくはより上の上司から直接仕事をもらうといった形をとることも考えられます。
2.評価が不透明である、公平ではない
上司から与えられた仕事を部下が懸命にこなしたとしても、部下が行った仕事に対して正当な評価を受けることができない場合、部下は仕事に対してやる気をなくします。
特に上司が特定の部下だけえこひいきするような状況は他の部下のやる気を著しく損ないます。
この場合、ひいきをされない部下は自身が一生懸命に仕事をしたとしてもその見返りがなければと思い、一生懸命仕事をすることが馬鹿馬鹿しくなり仕事も適当になっていきます。
このようなことが日常的に行われる場合は、その上司を無視するだけでなく、最悪の場合はその部下が職場から離れることになります。
3.上司が仕事上の先輩としての行動をとれていない
部下は上司の仕事ぶりを見て成長するという形をとれることが理想です。
もちろん、上司は部下よりも能力があり、仕事も出来ることが望ましいですが、そうでなくても例えば部下の失態を上司が責任をもつことができる場合であれば、部下から無視されることはありません。
最近は学歴で就職を判断することもなくなってきているため、部下も上司が自身よりも低い学歴であってもそれを理由に無視をしようものなら、その部下自身の人間性を他の人間から疑われるため、そう簡単に部下も上司を無視できなくなっています。
しかし、部下から見て上司は立場だけが上の存在、つまり、自分よりも能力もなく、仕事も出来ない、さらには部下は上司から放任されていると思われた場合、部下は上司を人間的にも尊敬できず、無視することになります。
4.必要以上に上司としての威厳を示そうとしている
上司は時として部下に対して上司としての威厳を示す必要があります。
しかし、いつもそのようなことが必要ではありません。
よくある失敗例は、部下の失敗を必要以上に責めて自身ならばこうやって対処するだとか、自身の自慢話をことあるごとに繰り返すというようなことがあります。
上司としての威厳は、特に部下がいうことを聞かず何度も同じ失敗を繰り返しているような場合に、その部下の行動や姿勢を正すときに示すことが望ましいものですが、失敗例のように不用意に部下を責めたり自身の自慢話をするといったことは必要はありません。
このような話を聞かされた部下の心理としては、その上司は自信がないから虚勢を張らないとダメなんだと思い、その上司と距離を取ろうとするものです。
5.ハラスメントを感じている
ハラスメントは、例えばパワハラやセクハラ、最近では産休後の女性に対してその処遇を冷遇するといったマタハラもありますが、どれも不当に部下を扱うことになるといった点で共通しています。
このようなハラスメントを恒常的に行う上司は部下も嫌気を感じ上司と距離を取ろうとするばかりか、最近ではコンプライアンスを強化している組織が多いため、より上の上司から評価を下げられることになります。
部下が上司を無視する理由は、深刻な問題があるケースも
部下が上司を無視する心理というのは、大抵の場合感情的なものではなく、よく考えた上でとっている行動であることがほとんどになります。
何故ならどのような立場の人であれ、仕事上、上司の評価がそのまま部下自身の昇進につながるような場合がほとんどであり、ちょっとのことでは、部下が上司を無視できないような仕組みが仕事上は成り立っています。
そのため、上司であるあなた自身が部下から無視をされていると思われた場合は、まず自身の行動を振り返ってみる必要があると思われます。
そして、上記のうち、1つでも2つでも改善することができれば部下がご自身を無視することは少なくなるのではないかと思われます。
極論すれば、よく言われることですが、自分がされて嫌なことを上司であるあなた自身が行わないようにすれば、部下から無視されることもまずなくなると思われます。