退職、転職、異動の際に気になるのは「仕事の引き継ぎ」です。
仕事を引き継ぐ相手にとって、仕事が増えることはとても負担です。
引き継ぎ相手の負担を減らし、自分も気持ちよく職場を去れる引き継ぎ方法をご紹介します。
1日、1週間、1ヶ月のスパンで仕事の流れを説明する
自分が担当していた仕事の流れの中にはある一定の期間で回っている業務があるはずです。
1日でその業務がすべて完結するもの、1週間かかるもの、1ヶ月かかるもの。
まずはその仕事にかかる時間と全体の流れを引き継ぎ相手に説明します。
わかりやすくする為に自分の担当業務ごとに仕事の流れがわかるタイムスケジュール表を作成します。
例えば、部門で必要なものを購入する購買業務を担当していた場合。
「商品の発注→上司の承認→購買部の承認→購買から業者への発注→業者での受け入れ→納品(約1週間)」
通常の購買業務ならこのような流れが存在します。
この一連の流れの1つ1つにどの程度の時間がかかるのかを表にしてわかりやすく説明します。
注意すべきポイントがあれがそれについても表に書き込みます。
「購買から業者への発注がスムーズにいかない場合があるので、自分が発注した2日後に購買システム画面から発注済か確認すること」
ただ業務の内容を羅列しているだけの引き継ぎマニュアルでは伝わらない部分を時系列でわかりやすく伝えるのはとても効果的な方法です。
業務の優先順位ごとにリストを作る
自分が担当していた仕事には優先順位があるはずです。
いつまでに絶対に終わらせなければいけない仕事、できるだけ早く手をつけるべき仕事、今すぐ手をつけなくても良い仕事。
これをわかりやすくするために自分の仕事をリストにして書き出し、それを優先順位ごとに並べ替えます。
「最優先」「優先」「通常」
3つくらいの優先順位ランクに分けてリストを作るとわかりやすいです。
引継ぎする際にも優先順位の高いものから引き継ぎ相手に説明します。
引き継ぎ時間が足りなくなった時、優先順位が高い業務の引継ぎが終わっていればまず安心です。
引継ぎを受ける相手もどの仕事が一番大事なのかを知りたいと思っているはずです。
業務で関わりがあった人の詳細な連絡先リストを作る
仕事を進める中で関わってきた社内の他部門の人、社外の業者の人が多々いると思います。
そういった人の中で自分がいつもとても頼りにしてきた人がいませんでしたか?
予算で困ったときにはあの経理の人にお世話になっていた。
至急で研究材料が欲しい時はあの業者の人にお願いして翌日には納品してもらった。
このようにいざという時に自分を助けてくれていた人の情報を引き継ぎ相手に伝えます。
業務ごとに関わり合いがあった人の名前、部署名(会社名)、電話番号、メールアドレスを書いたリストを作ります。
そしてそのリストの備考欄にその人に関する情報をわかりやすく書いておくのです。
「契約書に至急捺印が欲しい時は捺印担当の法務部の○○さんにお願いする前に、この○○さんに一言お願いを入れておくと早いです」
仕事をスムーズに進めるために自分が作ってきた人間関係、知り得た情報をそのまま引き継ぎ相手にもつないでいくのがポイントと言えます。
自分が経験したトラブルの内容と原因を伝える
自分が原因でトラブルを起こし、仕事が滞ったり、企画がボツになったりした経験はありませんか?
自分が引き継いだ仕事によって引き継ぎ相手が同じようなトラブルに巻き込まれるのはとても嫌なものです。
これを防ぐために、トラブルを起こした原因をよく思い出しそれを引き継ぎ相手に伝えます。
前述した業務の優先順位リストの備考欄を使って、トラブルの内容と原因を記載します。
例えば、
「新規事業の企画書を作った時、企画書に書いた予算が昨年の予算をオーバーしていたので本部長から却下された。予算には注意すること」
このようにトラブル内容をわかりやすく書いておくと、新しい仕事を受ける引き継ぎ相手としても不安が拭えます。
新しい仕事を受けるということはとてもストレスが多いものです。
それは担当したことのない仕事で何か失敗を犯してしまうのではないか?と考えるからです。
自分の失敗を糧にしてもらえるよう、わかりやすくその内容を伝えてあげると引き継ぎ相手がトラブルを回避しやすくなります。
また、トラブルを起こさないことで仕事がスムーズに進みますのでここはとても重要な引き継ぎポイントと言えます。
きちんと仕事の引き継ぎをしよう
自分も新しい仕事に対して不安やストレスがある中で、引き継ぎ相手に業務を伝えていくのはとても大変な作業です。
しかし、きちんと引き継ぎを行うことはあなたの使命でもあります。
自分がこれまで担当してきた仕事には好きな仕事も嫌いな仕事もあったでしょう。
しかし、その仕事を進めることで得てきた達成感や満足感はあなたにとってとても大切な宝になっているはずです。
しっかりと業務の引き継ぎを行うことができれば、最後まで仕事をやり遂げる強い自分に成長することができます。