仕事をしていれば誰でも「つらい」と感じることはあります。
それが「仕事に行くのが怖い」という心理に成長してしまうケースも少なくありません。
その段階で、簡単に仕事を辞めてしまう人もいるでしょう。
しかし、次の仕事がすぐに見つかるとは限りません。
できれば今の仕事を「怖い」とは感じずに続けられれば、それがベストです。
そのために、「怖い」と感じながらもなんとか出勤し、少しでも長く仕事を続けるための方法を、6つのステップでご紹介します。
ステップ1.退職願を書く
最初のステップは、退職願を書くことです。
というと「少しでも長く仕事を続けるための方法ではなかったのか?」という疑問を持たれるに違いありません。
仕事を長続きさせるために、退職願を書くのです。
「仕事に行くのが怖い」というのは、かなり深刻な精神状態といっていいでしょう。
ですから、ふつうのやり方ではうまくいきません。
そこであえて、最初に辞職願を作ってしまうのです。
作成したからといって、すぐに出す必要はありません。
「いざとなったら、これを提出すれば、この恐怖から逃れることができる」と意識することで、恐怖は少しは和らぐでしょう。
そして、出勤前に、「今日、仕事が終わったときに、もう耐えられないと思ったら、これを提出しよう」と心に決めるのがポイント。
つまり、「今日1日だけがんばろう」という心理を自分に持たせるために、退職願が役立つのです。
ステップ2.早起きして体を動かす
早く起きて、出勤前に体を動かすのも効果的な方法です。
たとえば、毎朝7時に起きて会社へ行っている人なら、6時か6時半に起きましょう。
仕事に行くのが怖いという意識があると、どうしても、少しでも長く布団の中にいたいと思いがち。
しかし、布団の中でぐずぐずしていても、よけいネガティブな気持ちになるだけです。
「いざとなったら、退職願を」という意識を持って、思い切って布団から出てしまいましょう。
そして、体を動かすのです。
ウォーキングでもいいですが、軽いジョギングならいっそう効果的。
部屋の中でストレッチするだけでもかまいません。
軽く汗をかいたらシャワーを浴びましょう。
かなり気持ちはすっきりするはず。
仕事に対する恐怖は残っていたとしても、ぐずぐず寝坊した場合に比べると、格段にポジティブな気持ちになっているはずです。
早起きしたからと言って、いつもより早く家を出る必要はありません。
いつも通りの時間に、出発しましょう。
ステップ3.職場の最寄駅を目標に通勤する
仕事に行くのが怖いという気持ちがかなり強く、「職場まで行けるか自信がない」というケースもあるでしょう。
その場合は、目標を「職場の最寄駅」に設定するといいでしょう。
職場を目標にすると、リアルなその光景が目の前に浮かんで、怖さが募ることにもなりかねません。
そこで、最寄駅を目標にするのです。
そうして、最寄駅に着いたら、もう何も考えずに早足で職場に直行し、目をつぶって飛び込んでしまいましょう。
ステップ4.「時間は100%、自分を終業時刻に連れて行ってくれる」と認識する
職場に飛び込むことがなかなかできない人もいるにちがいありません。
あるいは、職場に飛び込んだものの、胸がどきどきして仕事に集中できないこともあるでしょう。
その場合は、こんな風な意識を持つといいでしょう。
「最後に味方になってくれるのは『時間』。
時間は間違いなく前へ進んでいる。
だから、ここにこうしていれば、必ず自分を終業時刻に連れて行ってくれる」
当たり前の話ですが、たとえば9時に出勤した人が、いつまでも9時の時点にいるわけではありません。
時間がたてばお昼休みになりますし、やがて終業時刻を迎えることになります。
「終業時刻寸前になって、再び9時の時点に戻されてしまう」というようなことは、SF小説やドラマ以外ではありえません。
つまり、どんなに怖いと感じるような仕事でも、やがて解放される時が必ずきます。
それを認識すると、気持ちが少しは楽になるのではないでしょうか。
ステップ5.終業時になったら、退職願を提出するかどうか判断する
そのようにして終業時刻を迎えたら、退職願について、自分の気持ちを確認しましょう。
「今これを提出しなければならないほど、切羽詰まった気持ちになっているか」と確認、判断するのです。
「今しかないのか」という判断です。
もし「明日でもいいや」と思えるなら、そのまま帰宅しましょう。
退職願を提出してしまえば、もう後戻りがしづらくなります。
それはそれで面倒なことですから、可能な限り「先送り」にするのが得策でしょう。
ステップ6.転職の準備をはじめる
このように1日伸ばしにしながら、なんとか仕事を続けていっても、「仕事に行くのが怖い」という意識がいっこうに改善されないこともありえます。
その場合は、退職、転職をより具体的に考える必要があるでしょう。
ただし、その場合も、仕事はなんとか続けながら、並行して行うことをおすすめします。
心の中で退職を決断すると、案外開き直って職場に行けるものです。
職場の風景や人間関係、仕事に対する感じ方が激変したという例も少なくありません。
「退職を決断したら、仕事が怖くなくなった」というケースもあるのです。
いずれにしても、退職願を提出するのは、ある程度準備ができてからにしましょう。
経済的にも精神的にも、そのほうがぜったいに得です。
お守りを持つことで、勇気が出ることも
最初に退職願を作成するというのは、少々逆説的なやり方ではありますが、「お守り」としての効力はけっして小さくありません。
「お守り」が必ずあなたを、次の時点に連れて行ってくれます。
もし「昨日より、怖さが少し薄らいだ」と感じられたなら、やがて恐怖が解消される可能性はかなりあると考えていいでしょう。