どのような人が人格者であるかは、絶対的には決められません。
しかし、多くの人から「あの人は人格者ですね」と言われるなら「人格者」と考えて良いでしょう。
このような人にはどんな特徴があり、特徴に理由があるとすればどういったものでしょうか。
1.一定の年齢に達している
やはり、20歳程度の人が「人格者」と呼ばれることはあまりありません。
「良い奴」どまりでしょうね。
少なくとも35~40歳以上でないと、なかなか言われない言葉です。
生まれ持った性質の良さはティーンなどでも発揮されますが、やはり経験が不足しています。
苦い経験などから人格者的になっている若者もいますが、生きた経験自体がどうしても不足しています。
言い方を換えれば、一定の年齢になっているのにワガママだったり、あまりに無知だったりする人は、おそらく最後まで人格者にはなれないでしょう。
2.教養がある
人格者と呼ばれる人では、単に性質が良いだけでなく、様々なことを学んで教養も身に着けています。
例えば経済の方面に詳しくても、生物や歴史などについても関心を持ち、色々な書物なども読み続けています。
といっても「知識だけの人」「読書マニア」のようなものではなく、人生経験と合わせて深みある教養を持ち、好ましいと思う考えなどは、生活に採り入れて実践しています。
いわば世界中の人、歴史上の様々な人の「知」や「考え」がその人の中にバランスよく詰まっているため「人格者」となるともいえるのです。
3.自信があっても謙虚である
「人格者」では、秘めた自信を持っている人がほとんどです。
しかしそれを態度にわかりやすく出したりはせず、むしろ隠します。
褒められても「私なんて大したものじゃないですよ」だとか答えるのも普通です。
別に自分が人より若干秀でていても、それを人に言うことに意味を感じないのも彼らですし「より自分を磨きたい」と考えるため「まだまだである」「目標お手本とする人がたくさんいる」などとして謙虚です。
4.ある程度一貫した考えを持っている
ある程度の、一貫した考え方ポリシーを持っているのも「人格者」の特徴です。
例えば「困った人は救済すべきである」とか「感謝の気持ちは素直に表すのが好ましい」など、色々なことについてそこそこ固まった考えを持っているのです。
そして、各考えに共通点というか、整合性があります。
一般的な人では、その時その時の感情で「あいつは酷いやつだ」と考えたかと思えば「酷いことをするのもまた、人間らしいのではないか」と考える日もあったりし、考えが一貫していない部分があります。
「人格者」では、つねにしっかりとものを考えて行動しているので、自然と考えも一貫してくるのです。
5.寄付やボランティアを好むことが多い
寄付やボランティアを好み、裕福でなくても、忙しくても取り組んだりするのが「人格者」に見られる特徴でもあります。
または、福祉や教育など仕事自体にも、ややボランティア性の入ったものを選ぶことがあります。
「自分や家族、友人や恋人などが幸せであればそれで良い」とは考えないのが、その理由です。
「保護司」などになり悪いことをした人のサポートをしたりする「人格者」もいて「たとえ悪いことをした人間であっても、反省し罪を償った上で、しっかりと幸せになるべきだ」と考え行動したりと、心の広さを持っています。
6.人に注意することができる
一般に好ましくないとされる言動や行動は、注意できるのも「人格者」です。
ただ単に性質が良いだけで勇気のない人とは異なります。
またその動機も「腹立たしいから」といったものではなく「あの行動は直させたほうが、本人のためにも周りのためにもなるだろう」といったことです。
注意するに際しても、むやみと怒鳴ったり、汚い言葉を使うなどのことは、もちろんしません。
7.特別な立場ではなくとも、生活が安定している
特に高収入だとか、社会的に高い地位にあるのではなくても、ある程度安定した生活をしているケースが多いのも「人格者」です。
それこそやや貧しい生活をしていても、人に過剰には頼らず、しっかりと生きているケースがほとんどです。
8.ちょっとつまらないイメージを持つこともある
「人格者」では、ユーモアを持ちそのセンスが良い人もいますが、トータル的な印象としては「真面目で、それほど変わったところがない」というものになりがちです。
悪く言えば「ややつまらない人」と思われることもあります。
「人は破天荒なくらいが面白い」と考える人からは「刺激的でない人物」と見られたりもします。
しかし「つまらない人だ」と暗に言われても怒ったりせず「そう思う人もいるのならば、何かまだ自分に足りない面があるのではないか」とか「誰かが誰かをつまらないと思うことも、悪いことではない」などと考えたりします。
「人格者」にはそう簡単になれるものではないですし、なったら面白いかというと、それもわからないですね。
しかし「人格者」といえる人を友人や先輩に持つと、色々と参考になることがあり、困ったときも「こういうとき、彼ならどう考えるだろうか」などと生き方の参考ともできます。